雛人形・・魅惑の3人
先日、日本橋三越に行ったとき、
催事場で雛人形の展示販売が開催されていました。
お、、これは‘確認せねば’
昔のように大きく場所を取る段飾りの雛人形は無くて、
どれもコンパクト。
中でもひと際繊細で美しい、5段飾りに惹きつけられて
細部までじっくり見ていると、そのお値段・・・
0が多くて・・
えーっと、1、10、100・・・
120万円
店員さん「いかかがですか?これはもう売れてしまって、残り1セットなのですよ」
ははは・・さ、さすが日本橋
いやいや、私は買いに来たのではございません。
‘確認’したかったのです。
こちらの3人を・・。
ふ~む、これではない・・というか、我が家と同じ。
120万円だけど、我が家と同じ。
我が家の雛人形はこちらと同じく、
全員が‘正座’しています。
ところが・・
先日、ある施設に飾ってある雛人形を見て
目が釘付けになったのであります。
なんだこれ~
リカちゃん人形みたいな生足がニョッキリと
雛人形の生足なんて初めて見ました
しかも、なんというお行儀の悪さ
気になってしょうがないので、施設の方に聞いてみると、
「この三人は身分が低いみたいですよ。そういえば下の階にある雛人形も足が出てました!」と。
なぬ??
ほんとだーーーーー
長年、我が家の雛人形に慣れ親しんで、
他の雛人形とじっくり比較したことが無かったので、それはもう新鮮な驚き
なぜこの三人だけ生足が出ているのか・・、
身分が低い=生足を出している・・というのもイマイチ納得できず、
私の探究心に一気に火が付いてしまいました
調べてみると、
こちらの3人の従者は仕丁(衛士)といい、確かに身分が低い‘雑用係り’のようです。
身分の高い人形達の中で、唯一庶民の人形として五段・七段飾りに含まれ、
表情も豊かに、座り方なども様々です。
表情豊かな仕丁は、泣き・笑い・怒りを表す「三人上戸」とも言われるそうです。
写真を探してみると、確かにその姿は様々でとても興味深い
こちらはその表情豊かな三人上戸、そして草履を履いています。
そして、こちらの三人なんて・・・
宴会してます
京雛の仕丁は酒宴をしているものが多く、
雑役の年季が明けた祝宴であるとか、
宮廷の婚礼をお祝いしている姿だとかいう節が伝えられているそうです。
燗鍋で酒を温め、皿に盛った鯛
を肴に盛り上がっています
三人の持ち物は一般的に台座(日傘)、立傘(雨傘)、沓台(くつだい)ですが、
地方によっては、箒、塵取り、熊手などを持っている場合もあるそうです。
江戸時代以前までは足袋に関する厳しい規定があり、
身分の低い庶民には許されないものでした。
少々乱れた悪い座り方や、生足を見せることで、
よりリアルな庶民の姿を表現しているのですね。
そして、もう一つ気になったのが、この三人の顔の色。
特に左の方・・、
年月が経って変色したのか・・?
違うセットの人形が混ざってるのか・・?なんて思ってました。
ところが・・・
偶然、こんな文章を発見
『位の高い貴族は、男性でも化粧をしていたので、白い顔をしています。
泣き上戸の顔が白いのは、お化粧をしているからではなく、顔色が悪いため』
・・・
つまり・・
ここまで表現されているとはっ
上段に鎮座している宮中の殿上人と、違う世界に住む下段の庶民達。
その時代背景やそれぞれのストーリーを知ると、
また違った視点で雛人形の世界を楽しめますね
お雛様は女の子の憧れとして、その可愛らしい姿ばかりに注目されがちですが、
是非、人間味溢れる下段の人々にも注目して下さい
ただ、残念なのは、
最近は5段、7段飾りが少なくなり、
この3人の仕丁も見られなくなってきたそうです
さて、思わぬことから
雛人形に関するお勉強をしてしまいましたが、
まだまだ奥が深く、それぞれの人物にもストーリーがあって面白いですよ。
皆さんの雛人形はどんなお姿をしていますか?
例えば三人官女。
よ~く見てみて下さい。
一人だけ眉毛が無い女官がいたら、その人が年長者だそうですよ
楽しい雛祭りをお過ごしくださいね~